お役立ちコラム
2021/09/28
車の冷却水とは?役割と点検・補充方法を知っておこう
車が安全に走行するには、ガソリン以外にも補充しなくてはいけないものがあります。
「冷却水」も、そのひとつです。
しかし、「ガソリンが必要なのは分かるけど、冷却水って必要なの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな方のために、冷却水の役割・点検・補充方法を解説します。
目次
車の冷却水(クーラント液)とは
車の冷却水は、別名「クーラント液」とも呼ばれ、エンジンの冷却に活用されます。
エンジンは動いている間かなりの高熱になりますが、これをそのまま放置しているとオーバーヒートを起こして故障します。
冷却水はこれを防ぐための設備です。
冷却水はエンジンが高温になりやすい部分に設置された「ウォータージャケット」や「ウォーターギャラリー」の中でエンジンの熱を取り除きます。
熱を奪った冷却水はラジエーターで冷やされ、またエンジンの熱を取るために循環されます。
車の冷却水は、車が安全に動くためには必ず必要なものです。
冷却水は水道水では代用できない
冷却水は水道水などの通常の水とは違います。
グリコール系溶剤などに添加剤が加えられ、不凍や防サビ効果が期待できます。
これは、通常の水だと以下のような事態が発生する可能性があり、水をそのまま使用するのが危険なためです。
普通の水を使った際に発生するトラブル
- 凍結による膨張と故障
- 水の中のミネラルや塩素による配管のサビ
冷却水は通常の水とは違います。
必ず専用の冷却水を活用してください。
車の冷却水の種類
車の冷却水には種類があります。
種類の違う冷却水を車に入れてしまうと、トラブルの原因になります。
冷却水の違いを押さえて、メンテナンスに活かしましょう。
薄め方による違い
冷却水の違いはたくさんありますが、その中のひとつに薄め方の違いがあります。
薄め方による冷却水の違い
- 購入後そのまま冷却水タンクに補充できる原液タイプ
- 指定された分量だけ水で薄めて補充する希釈タイプ
違うタイプの冷却水は使用できません。
補充用の冷却水を購入する際は、自分の車に使われているタイプの冷却水が原液タイプか希釈タイプか必ず確認しましょう。
色と交換時期による違い
冷却水の違いは薄め方だけではありません。
冷却水には色が付いており、この色で交換時期を区別します。
色と交換時期による違いは、以下のとおりです。
赤 | 緑 | 青 | ピンク | |
耐用年数 | 2年~3年 | 7年~10年 | ||
主成分 | エチレングリコール | プロピレングリコール | ||
別名 | LLC(ロング・ライフ・クーラント) | スーパーLLC |
赤や緑の冷却水は、配合されたエチレングリコールにより高い耐用年数を誇る点から、「LLC(ロング・ライフ・クーラント)」と呼ばれます。
その後改良品として作られた青やピンクの冷却水は、LLCよりも長い耐用年数であることから、「スーパーLLC」と区別されています。
どちらも配合されている成分が違うため、異なった成分の冷却水を混ぜて使うことはできません。
また、車は性能ごとに使用できる冷却水があらかじめ決まっているため、使える冷却水の色が決まっています。
冷却水は、薄め方だけでなく色と耐用年数の違いにも注目して選びましょう。
車の冷却水の点検方法
冷却水は車の中を循環しているため、減らないように感じる方もいるかもしれません。
しかし、実際は少しずつですが冷却水は減少します。
この減り方に何らかの異常がある場合、冷却水に関係した仕組みが故障している可能性が高いです。
故障にいち早く気がつくためにも、冷却水周りの点検は定期的に行わなくてはいけません。
冷却水の不足や漏れを確認する方法は、以下のとおりです。
確認内容 | 冷却水の液漏れ | 冷却水の量の異常 | 冷却水の温度の異常 |
確認する場所 | ・エンジン下の地面
・アイドリングまたは走行時の臭い |
エンジンルームのリザーバータンクと目盛 | 水温系 |
確認方法 | ・地面に冷却水の色をした液体が垂れていないか確認する
・ボンネットを開けて冷却水が漏れていないか調べる ・アイドリングや走行時に冷却水の甘い臭いがする |
・エンジンが完全に冷めている状態のときに、リザーバータンクの中の冷却水が、タンク内の「MAX」と「MIN」の間に液面があるか確認する
・エンジンが完全に冷めている状態のときに、ラジエーターキャップを開けて中の冷却水の液面位置を確認する |
・エンジンを稼働させた際に、水温系の針が10分前後のペースで上がっていくか確認する
・このときに「C(クール)」と「H(ヒート)」の間に水温系の針が来ているか確認する |
点検の際何らかの異常が確認できた場合は、以下の箇所で劣化・破損・故障が起きている可能性が高いです。
考えられる故障箇所
- ラジエーター
- ラジエーターホース
- ラジエーターキャップ
故障が疑われる場合は、すぐに車を修理に出しましょう。
車の冷却水の補充方法
故障とまではいかなくても、車の冷却水が減っていた場合や、故障を修理した後は、冷却水を補充しなくてはいけません。
補充作業は以下の道具を用意して行いましょう。
補充作業に必要な道具
- バケツ
- 雑巾
- ジョッキ
- じょうご
道具を準備したら、以下の手順で補充します。
冷却水の補充方法
①エンジンが完全に冷めているかを確認する
②エンジンルーム内のリザーバータンクの位置と冷却水の残量を確認する
③じょうごなどを使ってリザーバータンクへ冷却水を補充する
④必要であれば、ラジエーターのキャップを外した状態でエンジンをかけ、冷却水の経路から空気を抜く
希釈タイプの冷却水を使用する場合は、②と③の間で希釈作業を行ってください。
④の手順は車種により不要な場合もあるため、事前に必要か確認しましょう。
まとめ
車の冷却水は、車が安全に走行するためになくてはならないものです。
種類があるため、車種にあった冷却水を選ぶようにしましょう。
冷却水周りに異常があると、思わぬ事故につながりますから、定期的な点検と必要であれば補充をこころがけてください。
「合同会社D.I.J 」では、冷却水やラジエーターの点検や相談も受け付けています。
ぜひお気軽にご相談ください。
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